明けの春 ―十句―
          山内美恵子

  小春日や吾子きて告ぐる佳き知らせ

  父母の墓馳せれば突如氷雨やむ

  新小豆はは在(おわ)すごとことことと

  吾子が継ぐ会津のこづゆ年送る

  数へ日や夫看て刻む音乱る

  身二つ欲しき介護や年の暮れ

  ひとり子に床しき嫁御明けの春

  買初(ぞめ)の金粉入り茶嫁御より

  介護の指骨まで削れ女正月

  介護の身癒す一冊骨正月