風光る ―十句―
          山内 美恵子
                
さくらさくら眩しいほどに夫退院

生かされし夫一せいに花ことほぐ

朝ざくらざっくり活けて夫介護

花見頃夫を誘いリハビリに

花の雨静なるひと日香を聞く

家うちまで待てぬ文あり花の朝

花散るやそろそろ病夫の散髪を

庭清め牡丹の気品に酔いにけり

緋牡丹の絹の光沢そつと触る

聾唖児のひとみの清さに風光る