白牡丹 ―十句―
            山内美恵子

 メタセコイア芽吹きを天へささげゐる

 五月来て病夫の目覚めまどかなり

 きざはしは夫のリハビリ五月(さつき)晴れ

 えごの花杖を恃みの夫(つま)の試歩

 白牡丹居ずまひ正し写経終ゆ

 母の日や少し早めに吾子の着く

 図書館の六千冊読了麦の秋

 囀(さへず)りを招いて夫の散髪す

 夜々太るあぢさゐの毬ふくふくと

 白牡丹一輪の気品まぶしめり